ホツマツタヱ(秀真伝/秀真古文字伝)で伝えられる天照大御神と瀬織津姫

ホツマツタヱ(秀真伝/秀真古文字伝)という古代書物を皆さんはご存知でしょうか?

日本の古代文献とされるものの一つで、神代から古代日本の歴史や文化を伝える内容を持つとされています。

以下に、ホツマツタヱについて詳しく説明していきましょう。

概要

  • 名称: 「ホツマ」は「秀真(ほつま)」と表記され、「秀(ひい)でた真理」や「正しい道」の意味があるとされています。「ツタヱ」は「伝え」や「物語」を意味します。
  • 内容: 古代の歴史、神話、倫理、文化、風習を記録したとされています。
  • 文字: 特徴的な「五十音図」を基本とした独自の文字体系(秀真文字/ホツマ文字)が使用されています。この文字体系は現代の仮名文字の起源とも主張されます。

ホツマツタヱの内容

ホツマツタヱは、以下のような内容が含まれるとされています。

  1. 神代の物語:
    • イザナギとイザナミの国生み、神々の活動、アマテラスやスサノオといった神々の関係性について記述されています。
    • アマテラスは「高皇産霊(タカミムスビ)」の神意を継ぐリーダーとして描かれます。
  2. 古代日本の歴史:
    • 神代(かみよ)から人間社会への移行、稲作や農耕文化の伝来などが詳述されています。縄文時代から弥生時代
    • 天皇家や神職の役割についても触れられています。
  3. 倫理や道徳観:
    • 和の精神や調和の大切さを強調。
    • 人々が互いに助け合う「愛和」の思想が根底にある。
  4. 風習と文化:
    • 歌や祝詞、祭りの由来についても記録。
    • 古代日本の精神文化が描かれているとされます。

愛和(あいわ)とは

「愛にみちあふれて、皆がその所を得た有様を和という。
一ぱいにたたえた姿、欠けた所がない、うらみも、そねみも、争いもない、みち足りた喜び、これが和である。」

「自然は調和の姿である。
宇宙は大和の相(すがた)である。
春の花、夏の栄、秋の実り、冬の充実(しまり)、一つとして和の姿でないものはない。
 愛和は本と末、原因と結果の関係が、
愛によって和を得た相(すがた)、和のもとは愛である。

そしてこの愛和は、すべての幸福のもとである。
親子夫婦のたてよこ十字の愛和は、家庭の幸福のもとであり、
親子、長幼(ちょうよう)の縦の敬慈(けいじ)、
すべての人の横の愛和、協力が、社会一切の幸福を生み出す。」

「おのれの如く汝の隣を愛すべし。」
「仇(あだ)を愛し、汝等(わいら)を責むる者のために祈れ。」
「すべて別れ争う国は亡び、分かれ争う町また家はたたず。」
「愛は悪に対する唯一の武器である。」

「愛は万物を産み育て、和は万事を結実成就させる。」

ホツマ文字(秀真文字)

  • ホツマ文字は、50音を基本にした古代文字体系で、「音」と「意味」を同時に表現する形式を持つとされます。
  • 一説では、この文字体系が後の「仮名文字」の元となったとも主張されている。
  • 日本の失われた歴史や精神文化を記録した貴重な資料となっている。
  • 日本神話の真実に迫るカギとなる可能性がある。
  • ただし、この江戸時代では偽書(贋作:がんさく)も増えていたことは事実。

ホツマツタヱの成立

  • 成立時期: 一部では縄文時代や弥生時代のころに記されたと主張されていますが、文献自体が現代に発見されたのは江戸時代後期(18世紀)。
  • 発見者: 「平田篤胤(ひらた あつたね:国学者)」がこの文献に言及したことで広まりましたが、後年に他の研究者たちから贋作の可能性が指摘されています。

ホツマツタヱの信憑性に関する議論

  • 肯定的な意見:
    • 日本の失われた歴史や精神文化を記録した貴重な資料。
    • 日本神話の真実に迫るカギとなる可能性がある。
  • 否定的な意見:
    • 文献の原本が存在せず、江戸時代に作られた偽書である可能性が高い。
    • 使用されている文字体系や内容に矛盾があると指摘されている。

スピリチュアル的観点

ホツマツタヱはスピリチュアルな文脈でも注目されており、以下のようなテーマと結び付けられることがあります。

  • アセンションや魂の成長に関するメッセージが込められていると解釈される。
  • 日本の「真の歴史」を知る手掛かりとして、霊的探求者の間で研究されている。

ホツマツタヱではアマテラス(アマテル神)は男性神として描かれている理由

ホツマツタヱにおいて、アマテル神は以下のように描かれています:

  1. 性別: アマテル神は男性神であり、地上を統治するリーダーとして描かれる。
    • これは『古事記』や『日本書紀』での「天照大神」が女性神(太陽神)として描かれるのとは異なる点です。
  2. 妃と正室:
    • 12人の妃(きさき)が登場し、その中でも瀬織津姫(セオリツヒメ)が正室とされています。正室(せいしつ)とは、高貴な人物の正式な妻のことで、正妻・本妻ともいう。律令制の元では嫡妻(ちゃくさい)とも呼ばれていた(原則として1人)。これに対し、正室以外を側室という。
    • 瀬織津姫は、水や浄化を司る重要な女神として知られ、特に「禊(みそぎ)」や穢れを払う役割を果たす神格とされています。
  3. 神話の役割:
    • 瀬織津姫はアマテル神を補佐し、穢れを浄化することで地上の調和を保つ役割を果たしているとされます。

根拠と背景

  1. ホツマツタヱの記述そのもの:
    • ホツマツタヱは、江戸時代に広まった文献であり、独自の視点で神話を解釈しています。
  2. 他の神話との比較:
    • 日本神話には、アマテラスの夫や配偶者が明確に記されていないことから、瀬織津姫が正室という設定はホツマツタヱ独自の解釈です。
    • 水神としての瀬織津姫は、他の神話でも「浄化」や「再生」の神として登場しますが、正室という描写は他の資料には見られません。
  3. スピリチュアル的解釈:
    • 近年、一部のスピリチュアル界隈で「瀬織津姫=正室」という解釈が広がっています。これには、魂の浄化やアセンションにおける象徴として瀬織津姫が注目されている背景があります。
  4. 天照大御神の性別について:
    • 日本神話では、アマテラスが女性として描かれる一方で、ホツマツタヱでは男性として記述されています。
    • これは「太陽神」が多くの文化で男性神として描かれることに影響を受けた可能性も考えられます。

考察

ホツマツタヱの記述が古事記や日本書紀と異なる理由は、次のように考えられます:

  1. ホツマツタヱ独自の歴史観:
    • ホツマツタヱは古事記や日本書紀の補完や再解釈として、独自の歴史観を提示している可能性があります。
  2. 編纂の時代背景:
    • ホツマツタヱが江戸時代に広まったことを考えると、当時の国学や神道の思想が反映されていると考えられます。
  3. 神話の象徴的意味:
    • 瀬織津姫を正室とする構図は、神話における「陽(アマテル)と陰(瀬織津)」の調和を象徴している可能性があります。

結論

「天照大御神が男性であり、瀬織津姫が正室である」という解釈は、ホツマツタヱ特有の記述に基づくものですが、これは日本神話の多様な解釈や精神性を探るうえで興味深い視点を提供しています。

瀬織津姫(セオリツヒメ)を祀っている神社はここ!

瀬織津姫(セオリツヒメ)は、日本神話において浄化や禊を司る水の神として知られています。古事記や日本書紀では名前が明確に記されていないこともあり、その存在や神格は長い間、あまり注目されていませんでした。しかし、近年では瀬織津姫に関するスピリチュアルな関心が高まり、多くの神社が瀬織津姫を祀る神社として注目されています。

以下に、瀬織津姫を祀るとされる神社をいくつか紹介します。


1. 丹生川上神社中社(奈良県)

  • 場所: 奈良県吉野郡東吉野村
  • ご祭神: 瀬織津姫を含む水神
  • 特徴:
    • 日本の代表的な水神信仰の神社。
    • 川の神として水の浄化や農業、生活用水の守護を祈る場所です。

2. 比良神社(滋賀県)

  • 場所: 滋賀県大津市
  • ご祭神: 瀬織津姫
  • 特徴:
    • 琵琶湖を背景に、水の神としての瀬織津姫を祀るとされています。
    • 地域の水運や漁業の守護神としても崇められています。

3. 白山比咩神社(石川県)

  • 場所: 石川県白山市
  • ご祭神: 主祭神は菊理媛神ですが、瀬織津姫と同一視されることもあります。
  • 特徴:
    • 白山信仰に関連し、瀬織津姫を水や山の神として解釈する信仰があります。

4. 瀬織津姫神社(福岡県太宰府市)

  • 場所: 福岡県太宰府市
  • ご祭神: 瀬織津姫
  • 特徴:
    • 瀬織津姫を主祭神とする名前を持つ神社。
    • 神社名に姫神の名前が明確に記されているのは珍しいケース。

5. 丹生都比売神社(和歌山県)

  • 場所: 和歌山県伊都郡かつらぎ町
  • ご祭神: 丹生都比売神を主祭神としますが、瀬織津姫と同一視されることがあります。
  • 特徴: 紀伊山地の霊場として信仰されており、水に関連する神格として瀬織津姫を祀る伝承があります。

6. 上賀茂神社(京都府)

  • 場所: 京都府京都市北区
  • ご祭神: 主祭神は賀茂別雷神ですが、瀬織津姫が密かに祀られているとされる説があります。
  • 特徴: 瀬織津姫は水や穢れを祓う力を持つ神格として関連付けられています。

7. 櫻井神社(福岡県)

  • 場所: 福岡県福津市
  • ご祭神: 瀬織津姫を含む神々
  • 特徴: 水や浄化の神として瀬織津姫を信仰する伝承があります。

スピリチュアル的な背景

瀬織津姫は、近年スピリチュアルな文脈で浄化や再生の象徴として広く語られるようになりました。そのため、地域や神社で「祓い(はらい)の神」として祀られる場合、後から瀬織津姫との関連が強調されるケースもあります。


参拝のポイント

  • 瀬織津姫を祀る神社では、清浄(せいじょう)がテーマになることが多いです。参拝時には、手水(ちょうず)や禊(みそぎ)を意識することで、瀬織津姫の神格により近づけるとされています。
  • また、神社に直接瀬織津姫の祀られている背景や祭神(さいじん)の詳細を確認するのも良いでしょう。

興味があれば、ぜひ現地を訪れてみてください!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です