近年、熱中症が増えている! 本当の原因は○○だった!?

熱中症の原因の一つとして 塩分(ナトリウム)不足 が関係している可能性は高いです。特に、現代の「減塩志向」や「水分補給の過剰」が影響していると考えられます。以下に、その理由を詳しく解説します。

救急搬送者数の推移

総務省消防庁の報告によれば、5月から9月の期間に熱中症で救急搬送された人数は以下のようになっています。​wbgt.env.go.jp

  • 2018年: 92,710人(調査開始以降最多)
  • 2019年: 66,869人
  • 2020年: 64,869人
  • 2023年: 91,467人(2番目に多い搬送人員)​

これらのデータから、特に2018年と2023年において、救急搬送者数が大幅に増加していることがわかります。

https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-3.pdf?utm_source=chatgpt.com

https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r5/heatstroke_nenpou_r5.pdf?utm_source=chatgpt.com


1. 熱中症のメカニズムとナトリウムの役割

(1)熱中症とは?

熱中症は、体温調節がうまくいかなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発生します。具体的な症状としては、

  • 軽度:めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り(筋けいれん)
  • 中等度:頭痛、吐き気、倦怠感、大量の発汗
  • 重度:意識障害、けいれん、臓器不全、最悪の場合は死亡

(2)ナトリウムは体温調節に不可欠

ナトリウム(塩分)は、汗とともに失われるミネラルであり、以下の重要な役割を持っています。

  • 体液のバランスを維持し、血流を正常に保つ
  • 筋肉や神経の働きを維持する
  • 発汗と水分吸収を助け、熱中症を防ぐ

2. 現代人のナトリウム不足と熱中症の関係

(1)「減塩ブーム」がナトリウム不足を加速

  • 1970年代、日本人の塩分摂取量は 1日14g程度 だったが、
    近年では9g前後 にまで減少(厚生労働省データ)。
  • 減塩は高血圧予防には有効だが、必要以上に減らしすぎると、体内のナトリウム不足を招く
  • 特に、高齢者やダイエット中の人は塩分摂取が極端に少なくなりがち

(2)「水をたくさん飲む=健康」という誤解

  • 「1日2~3リットルの水を飲むと健康に良い」という情報が広まり、水分を過剰に摂取する人が増えている。
  • しかし、ナトリウムを摂らずに大量の水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下し、熱中症を悪化させる

3. ナトリウム不足による熱中症リスク

(1)発汗によるナトリウム喪失

  • 汗には 0.3~0.5%の塩分(ナトリウム) が含まれており、大量に汗をかくとナトリウムが急速に失われる
  • 例えば、1Lの汗をかくと 3~5gの塩分が失われる
  • これを水だけで補うと、血液中のナトリウム濃度がさらに低下し、低ナトリウム血症を引き起こす。

(2)「スポーツドリンクだけで十分」は誤解

  • 市販のスポーツドリンクのナトリウム濃度は 0.1~0.2%程度
  • しかし、汗に含まれる塩分濃度(0.3~0.5%)よりも低いため、スポーツドリンクを飲んでもナトリウム不足は補えない
  • そのため、塩や梅干しなどを意識的に摂取する必要がある

4. 熱中症対策としてのナトリウム補給

(1)熱中症を防ぐための「適塩」戦略

  • 水分だけでなく、ナトリウム(塩分)も補給することが重要
  • 以下のような方法で、適度な塩分を補給すると良い。
状況推奨される塩分補給方法
普段の生活味噌汁1杯(約1.5gの塩分)+梅干し1個(約1gの塩分)
運動時500mlの水に1gの塩を加える「自家製経口補水液」
大量の汗をかいた後塩タブレット、梅干し、おにぎり(塩付き)

(2)特に注意すべき人

  • 高齢者(喉の渇きを感じにくく、塩分も控えがち)
  • ダイエット中の人(低塩・低カロリー食が主流)
  • 長時間屋外で活動する人(建設現場の作業員、運動選手など)
  • 「水をたくさん飲む習慣がある人」(ナトリウムが不足しやすい)

5. まとめ:熱中症を防ぐには適切な塩分摂取がカギ!

✅ 結論

👉 「減塩=健康」ではなく、「適塩=健康」 という考え方が必要。
👉 水だけでなく、適度な塩分(ナトリウム)を摂取することが熱中症予防のカギ!
👉 汗をかく機会が多い人は、塩分補給を意識的に行うことが重要!

✅ 具体的な対策

  1. 水分補給の際は、ナトリウムを一緒に摂る(味噌汁、梅干し、塩タブレット)
  2. スポーツドリンクだけでは不十分なので、必要に応じて塩を加える
  3. 「減塩ブーム」に惑わされず、自分の活動量に応じた適切な塩分摂取を心掛ける

熱中症も水毒症(水中毒)と同様に、水分と塩分のバランスが崩れることで発生する問題です。
「水をたくさん飲めば健康」という考え方ではなく、「適度な水+適度な塩」が健康を守る という意識が重要ですね!

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