国政・地方の選挙にかかる費用

国政選挙に出馬するって、実はかなりお金がかかるんです。選挙に出ようと思ったら、まず頭に入れておきたいのが費用のこと。ざっくり説明すると、主に以下のような費用が必要になってきます。

1. 供託金って?

選挙に出るには「供託金」っていうお金を預ける必要があるんですよ。これ、一定の得票数を得られないと没収されちゃうんです。金額も結構なもので…

  • 衆議院選挙(小選挙区):300万円
  • 衆議院選挙(比例代表):600万円
  • 参議院選挙(選挙区):300万円
  • 参議院選挙(比例代表):600万円

つまり、結果が出せなかったら返ってこないという結構リスキーな話です。

その他、地方選挙などはこちら

選挙の種類供託金没収されてしまう投票数、没収額
衆議院小選挙区300万円有効得票数×1/10未満
衆議院比例代表立候補者一名につき600万円没収額=供託金ー(300万円×重複立候補者のうち小選挙区の当選者数+600万円×比例代表の当選者数×2)
参議院比例代表立候補者一名につき600万円没収額=供託金ー600万円×比例代表の当選数×2
参議院選挙区300万円有効得票数÷議員定数×1/8未満
都道府県知事300万円有効得票数×1/10未満
都道府県議会60万円有効得票数÷議員定数×1/10未満
指定都市の長240万円有効得票数×1/10未満
指定都市議会50万円有効得票数÷議員定数×1/10未満
その他の市区の長100万円有効得票数×1/10未満
その他の市区の議会30万円有効得票数÷議員定数×1/10未満
町村長50万円有効得票数×1/10未満
町村議会なし

2. 選挙活動の費用もバカにならない

選挙に出るなら、広報活動も大事ですよね。チラシやポスター、選挙カーなんかの費用がバンバンかかります。具体的には…

  • ポスターやチラシの印刷:数百万円くらい
  • 選挙カーや広告:車のレンタル代やガソリン代、人件費も含めてこれも数百万円

広告や広報はイメージ戦略の肝ですから、ここにお金をかけるかどうかが選挙戦を左右することもあります。

3. 選挙事務所の運営費

さらに、選挙事務所の運営も忘れてはいけません。ここでも人件費や家賃、通信費などで、数十万から数百万円は必要です。

4. その他の費用

最近はSNSやインターネット広告も重要になってきていますよね。もちろんこれもタダじゃありません。法律で選挙活動は厳しく規制されていますが、それでも目に見えないところで広報活動にお金をかけるケースもあります。

結論としては?

国政選挙で1名の候補者を擁立するのにかかる費用は、一般的に数千万円ですね。

主な費用項目には、以下のとおり

  • 供託金:衆議院・参議院の比例代表選挙区は600万円、選挙区は300万円です。
  • 選挙活動費:ポスター作成、選挙カー、事務所の運営費、スタッフの人件費、広報活動費(ビラ、SNSなど)などが含まれ、これは少なくとも数百万円から数千万円に及びます。
  • 選挙運動の交通費や宿泊費、演説会場のレンタル費なども追加されます。

総額として、一般的には5,000万円から1億円が必要ですよ!

地方議会では

一方で、市議会議員選挙の場合、費用はそれほど高くなく、供託金は50万円と国政選挙に比べて少額です。

しかしながら、選挙運動にかかる広報活動費やポスター作成費、人件費などもかかるため、500万円から2,000万円程度が一般的とされている

日本の選挙費用はなぜ高額になるのか(外部記事)

4月に行われた衆議院東京15区補欠選挙に出馬した須藤さんは選挙期間中、選挙にかかる費用を公開し、大きな注目を集めました。その予算は約1,500万円。その内訳は事務所開設費用に150万円、ビラやポスターなど印刷物に200~300万円、街宣車に150万円などで、これは選挙費用としてはかなり少額です。

今回、須藤さんは無所属で出馬したため、政党からの援助などは一切なく、全て自身のお金、持ち出しです。そのため陣営の選挙スタッフはほぼ100%ボランティア。選挙カーではなく自転車で本人が選挙区内を走り回り、有権者とひたすら握手をするなど、とにかくお金をかけない戦略で挑みました。

須藤さんの選挙費用について、株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは「安い」と驚く傍ら、「政治家は有権者に政策を伝えるという究極の広報活動の側面があるが、この金額を見ると(無所属で)個人で挑戦するにはかなりのハードルがある

須藤さんは「供託金は、日本が世界で一番高いと言われていて、数万円の国もあるなか、僕はその存在は憲法44条(『両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない』)に矛盾していると思う。お金がないから選挙に出られないというのはおかしい」と真っ向から否定。

なお、G7で供託金制度を設けているのは日本とイギリスのみ。アメリカ、イタリア、フランス、カナダ、ドイツには供託金はありません。カナダは2017年に裁判所の違憲判決を受け、この制度を廃止。ドイツはお金ではなく、有権者らの一定数の署名を定める制度があります。そして、唯一供託金制度を導入しているイギリスもその金額は下院で500ポンド(日本円で約9.6万円)と安く、日本の供託金は著しく高額です。

選挙対策で大きな出費となるものはあります。3月の政治倫理審査会で自民党の西田昌司参議院議員は、地元の会合にいけば時に懇親会があり、その会費はおおよそ1万円。毎日1件あれば年間360万円で、1日複数回あることもしばしばで、その費用だけで年間500~600万円かかると発言しています。なお、もしも懇親会を断った場合、悪評が広がり支持を失う懸念もあり、こうした出費は止むを得ないそうです。

須藤さん自身は、参院選は比例区で出馬し、支援団体などがなかったため会費を払うパーティーや懇親会に出席することはあまりなかったそうですが、周囲の議員に話を聞くと、やはりそうした機会は多いとか。選挙区によって異なりますが、それこそ新年会も1日10件当たり前というところもあるそう。ただ、そうした議員は政党に所属し、自分でもパーティーを行うなどしており、十分な予算はあると須藤さんは言います。

そして、須藤さんは無所属にこだわる理由、さらには今後について、「結局、無所属だと本会議で発言できなかったり、政見放送がなかったりして、今はどうしても政党に入らなければいけないような形になっている。そうではなく、政党に関わらなくても、志がある人が政治をできるような形を作っていきたい」と語ります。

八代さんは、西田議員の発言から地元民の意識改革の必要性に言及。というのも、国会議員が懇親会やお祭りなど地元の行事に顔を出す=地元のことを考えている、偉いという古い評価・慣例がまだまだ残っているから。「お祭りに顔を出させる地元民の意識を我々は変えないといけない。議員にはもっとしっかり政策立案の時間を作ってほしいし、そのためには地元から解放してあげないといけない」と注意を促します。

https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202407050650/detail

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