古代日本の暦

「睦月(むつき)」をはじめとする日本の各月の名前は、主に古代日本の暦に由来します。これらの月名は、自然の現象や農業、季節感を反映したものが多く、特に「旧暦」における12ヶ月の呼び名に使われていました。

「睦月(むつき)」を例に、各月の由来について説明します:

  1. 睦月(むつき) — 1月
    「睦月」の「睦(むつ)」は「仲良くする」「親しむ」といった意味で、1月に新年を迎えて親しい人々と集まり、互いに睦み合う時期に由来します。つまり、新年を祝う月であり、家族や友人が集まり仲良く過ごす月という意味です。
  2. 如月(きさらぎ) — 2月
    「如月」は「着る月」や「衣更着(きさらぎ)」とも書かれ、寒さが厳しい時期に衣服を重ねて着ることからきていると言われています。2月はまだ寒さが残る月であることに関連しています。
  3. 弥生(やよい) — 3月
    「弥生」は「弥(いや)」という言葉が「いよいよ」「ますます」という意味を持ち、草木が生い茂る時期にちなんでいます。この月は春が訪れ、植物が芽吹く季節として表現されています。
  4. 卯月(うづき) — 4月
    「卯月」は、卯の花(ウツギの花)が咲く時期に由来しています。ウツギの花が春に咲くことから、春の花が咲く季節を象徴する月名です。
  5. 皐月(さつき) — 5月
    「皐月」は「皐(さ)」が水辺を意味し、「月」はその時期を表します。5月には田植えの準備が行われる時期で、農業と水田に関連する名称です。
  6. 水無月(みなづき) — 6月
    「水無月」の「無」は「無い」ではなく、「の」という意味です。つまり、水の月という意味で、梅雨の季節に水が豊富に降る時期を表しています。
  7. 文月(ふみづき) — 7月
    「文月」は、7月に書物や詩を詠むことが多かったことから来ていると言われています。また、7月7日の「七夕」にも関連があります。
  8. 葉月(はづき) — 8月
    「葉月」は、木々の葉が茂る月として、植物の生長を表しています。8月は暑い夏で、木々の葉が繁茂する時期です。
  9. 長月(ながつき) — 9月
    「長月」の「長」は夜が長くなることを意味しています。秋の深まりと共に日照時間が短くなることから、夜が長くなる月を表しています。
  10. 神無月(かんなづき) — 10月
    「神無月」の「神無」は「神がいない」という意味で、全国の神々が出雲に集まる時期を指しています。そのため、神々がいない月という意味があります。
  11. 霜月(しもつき) — 11月
    「霜月」は、霜が降り始める月という意味です。寒くなり、霜が降るようになる時期に由来します。
  12. 師走(しわす) — 12月
    「師走」の「師」は僧侶や先生を意味し、「走る」は忙しく働く様子を表しています。年末の忙しさを象徴する月名です。

これらの月名は、日本の自然や文化、農業に密接に関わっており、昔の人々が季節を感じ取りながら生活していたことを反映しています。

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