死刑を廃止して超長期刑をつくるべき

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はじめに

死刑制度は、犯罪抑止や被害者遺族の感情に配慮した刑罰として、多くの国で採用されています。しかし、近年では死刑の是非について議論が活発化し、死刑を廃止する国や地域も増えています。特にアメリカでは、州ごとに異なる法制度が存在し、死刑を廃止している州も少なくありません。その代替策として注目されているのが「超長期刑」です。

本記事では、超長期刑の特徴や実例を通じて、死刑の代わりに超長期刑を採用すべき理由について詳しく探ります。さらに、仮釈放制度の問題点や超長期刑の意義についても考察します。


1. アメリカにおける死刑と長期刑の現状

アメリカは連邦制を採用しており、死刑の有無や長期刑の制度は州ごとに異なります。現在、カリフォルニア州やニューヨーク州などの一部の州では死刑が廃止されており、その代替として「懲役50年」「懲役100年」さらには「懲役数百年」といった超長期刑が適用されています。

例えば、Ariel Castro事件(2013年)では誘拐と監禁の罪でアリエル・カストロに対し懲役1000年超が言い渡され、Bernard Madoff事件(2009年)では史上最大の金融詐欺事件としてバーナード・ローレンス・マドフに対し懲役150年が科されました。これらの例は、死刑廃止後の代替策としての超長期刑の有効性を示しています。


2. 超長期刑の特徴とその意義

📏 具体的な年数の刑罰

「懲役50年」や「懲役100年」といった長期刑は、特に複数の罪状がある場合に用いられます。例えば、10件の強盗事件で各10年の刑が科されると、合計で懲役100年となります。また、「連続刑 (Consecutive sentences)」と「併合刑 (Concurrent sentences)」の違いも重要です。連続刑では刑期を順番に服役しますが、併合刑では同時に服役することが可能です。

これにより、凶悪犯罪者への強い抑止力と社会からの隔離が実現されます。また、仮釈放の可能性が低くなるため、再犯のリスクも減少します。


3. なぜ超長期刑が必要なのか

  • 仮釈放の防止: 超長期刑は、仮釈放の対象になりにくく、再犯のリスクを減らす役割を果たします。
  • 死刑の代替: 死刑を廃止している州では、超長期刑が最も重い刑罰となります。
  • 凶悪犯罪への対応: 連続殺人や重大な性犯罪など、社会的影響が大きい犯罪への適用が期待されています。

日本で超長期刑が導入されていない理由

では、日本で死刑が廃止されず、超長期刑が導入されていない理由は、以下のような社会的・法的・文化的な要因があります。


🇯🇵 1. 国民の死刑支持が高い

  • 世論調査: 内閣府の世論調査によると、死刑制度の存続を支持する人が約80%にのぼります。凶悪犯罪への強い処罰感情が背景にあります。
  • 被害者感情への配慮: 被害者遺族の無念を晴らすために、死刑が必要だと考える人が多いです。

📜 2. 法制度の問題

  • 刑法の未整備: 日本の刑法には「超長期刑」に相当する規定がありません。例えば、「懲役50年」や「懲役100年」のような年数指定の長期刑はなく、最高刑は「無期懲役」です。
  • 無期懲役の仮釈放: 無期懲役は10年経過後に仮釈放の審査が可能ですが、実際の仮釈放までの平均期間は30年以上。仮釈放率も低下しています。

⚖️ 3. 超長期刑が導入されない理由

  1. 刑務所の過剰負担: 超長期刑を導入すると、終身にわたり服役者が増え、刑務所の収容能力や運営に負担がかかります。
  2. 法改正の難しさ: 超長期刑の導入には刑法改正が必要ですが、国会での合意形成が難航。死刑存続派の強い反対もあります。
  3. 人権問題への懸念: 超長期刑は「終わりの見えない刑」として、国際人権基準に抵触する可能性も指摘されています。

🌏 4. 国際社会の圧力

  • 国連やEUからの批判: 日本は主要先進国の中で、死刑を存続させている数少ない国の一つ。EUや国連からは、死刑廃止への圧力が続いています。
  • 国際人権規約 (ICCPR): 第二選択議定書は死刑廃止を推奨していますが、日本は未批准。

🏛 5. 実際の判例と比較

  • アメリカの例: アメリカでは、死刑を廃止した州が「超長期刑」を代替として採用。
    • 例: Ariel Castro事件(懲役1000年超)、Bernard Madoff事件(懲役150年)。
  • 日本の例: 秋葉原通り魔事件や池田小学校事件などでは、死刑が適用されています。これに対して、アメリカのような超長期刑の選択肢はありません。

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