水中毒の現状
近年、水中毒(低ナトリウム血症)の発生が増加しているとの報告があります。例えば、東京都内のクリニックでは、水中毒の患者数が前年の3倍に急増し、その発症時期も早まっているとのことです。
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水中毒は、塩分を含まない水を大量かつ急激に摂取することで、体内のナトリウム濃度が低下し、倦怠感、吐き気、頭痛、意識障害、けいれん、最終的には死に至ることもある危険な状態です。特に、運動中や運動後に適切な電解質を含まない水を大量に摂取すると、低ナトリウム血症のリスクが高まることが指摘されています。
適切な水分補給の方法
適切な水分補給のためには、1時間あたり100~200mlの水分をゆっくりこまめに摂取し、水分とともに塩分の摂取も忘れないことが重要です。例えば、味噌汁1杯や梅干し1~2個を組み合わせると良いでしょう。
なお、一般集団における水中毒の発生率は明確ではありませんが、特定の集団では一定の発生が報告されています。例えば、オーストラリア国軍では、2001~2016年に10万人あたり6.9例の水中毒が発生し、教育プログラムの実施により過去10年で23.3%の減少が見られたとの報告があります。
水毒症の増加要因
現代人の水毒症(水中毒、低ナトリウム血症)の増加は、塩分(ナトリウム)摂取の減少が一因である可能性が高いです。以下の点がその根拠になります。
1. 「減塩ブーム」とナトリウム不足
- 健康志向の高まりとともに「減塩」が推奨されるようになり、多くの人が意識的に塩分摂取を控えています。
- しかし、極端な減塩は体内のナトリウム濃度を下げ、水分バランスを崩す原因になります。
- 特に運動後や大量の水を飲む習慣がある人は、ナトリウム不足になりやすいです。
2. 水分摂取の過剰
- 熱中症対策や美容・健康意識の向上により、1日2~3リットル以上の水を飲む人が増えている。
- しかし、塩分を摂らずに大量の水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まり、低ナトリウム血症(水毒症)を引き起こす可能性があります。
3. ナトリウム不足による健康リスク
- ナトリウムは、水分バランスを調整し、筋肉や神経の機能を正常に保つために不可欠。
- ナトリウムが不足すると、倦怠感・めまい・頭痛・意識障害・けいれんなどが起こりやすくなる。
- 最悪の場合、脳が腫れ、脳浮腫を引き起こして死亡することもある。
4. 現代人の「隠れ低ナトリウム症」
- 日本人の食塩摂取量は、厚生労働省のデータによると、1970年代の約14g/日から、近年は約9g/日へと減少。
- 減塩は高血圧予防に有効だが、必要以上に減らしすぎると、低ナトリウム症のリスクが高まる。
- 特に、高齢者やダイエット中の人は、意図的に減塩しすぎる傾向がある。
水中毒の予防策
- 適量の水分摂取を意識する:1日に2リットル以上の水を飲む場合は、適度な塩分補給を忘れない。
- 電解質を補う:水分補給時にはスポーツドリンクや塩分を含む食品を取り入れる。
- 減塩しすぎない:極端な減塩は避け、味噌汁や漬物など適度な塩分を含む食事を心掛ける。
- 特に運動後のケアを徹底:運動後は水だけでなく、ナトリウム・カリウムを含む食品を摂取。
結論
👉 現代人が「減塩志向+水分過多」でナトリウム不足になり、水毒症が増えている可能性は高い。
👉 適度な塩分(ナトリウム)摂取は、健康維持に不可欠。特に、水をたくさん飲む人や運動をする人は、意識的に味噌汁・梅干し・塩を含む食品を摂ることが重要。
「減塩=健康」ではなく、「適塩=健康」という考え方が、これからの時代には必要かもしれませんね。